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税務と承継

日本の不動産を法人で保有するか個人で保有するか

法人か個人かの違いは、毎年の税負担だけでなく、費用の扱い、ご家族への分け方、そして将来の出口にも及びます。保有の目的が定まると、答えの輪郭は自然と見えてきます。

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税だけの問題ではありません

法人で持つか個人で持つかという問いは、しばしば節税の比較として語られます。実際には、この判断は四つのことに同時に関わります。毎年の税負担、費用と減価償却の扱い、ご家族の間での分け方と承継、そして将来どう手放すかという出口です。四つの重みは保有の目的によって変わります。ご自身やご家族が折々に使われる住まいと、長く持つ収益物件とでは、そもそも適した答えが異なります。税率の比較より先に目的を定めるほうが、結果として近道になることが多いように思います。税制は時期によって見直されますが、目的は比較的動かないからです。

それぞれの性格

  • 個人保有は構造が簡素で、設立・維持の費用がかからず、申告の負担も相対的に軽くなります
  • 個人保有では賃料収入が原則として個人の所得に合算され、法人とは税率の構造が異なります
  • 法人保有では、管理・修繕・利息といった費用や減価償却を法人の中で整理できます
  • 法人保有には、記帳・決算・申告および地方税という年次の固定的な負担が伴います
  • 法人保有では、株式や持分を通じてご家族が割合で関与し、段階的に移すことができます
  • 非居住者が保有される場合、賃料の支払や譲渡に際して源泉徴収や納税管理人の手当てが要ることがあります

承継と出口

承継という観点では、不動産そのものは分けにくく、株式や持分は分けやすいという違いがあります。将来お子様が複数で引き継がれることを想定されるなら、法人の形が分割時の摩擦を和らげる場合があります。ただし法人で保有するということは、将来動かす対象が不動産ではなく株式になるということでもあります。評価の方法も税務の取扱いも買い手の範囲も、不動産を直接売る場合とは異なりますし、解散や清算にも時間と費用がかかります。反対に個人保有の物件は売却の手続が比較的単純ですが、相続の局面では遺産分割と納税資金という現実的な課題に向き合うことになります。どちらの摩擦が受け止めやすいかは、ご家族ごとに違います。

決め方について

実務としてお勧めしているのは、まず三点を書き出していただくことです。この資産をどれくらいの期間持つのか、誰が使い、誰が引き継ぐのか、そして最も起こりそうな出口はどれか。そのうえで税理士に、個人と法人の二通りについて、現行法令にもとづく保有期間中と譲渡時の概況を試算していただき、法律面の制約を弁護士や司法書士に確認していただきます。台湾側と日本側の取扱いは併せて見る必要があります。一方で最適に見える形が、他方でも同じとは限らないためです。いずれの試算も前提の上に成り立つものであり、結果はご事情や法令の改正によって変わります。どんな場合にも有利な形というものはございません。

本稿は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務・投資・入管に関する助言ではありません。税制や実務は見直されることがあり、結果もご事情によって異なりますので、実際のご判断にあたっては日本と台湾双方の有資格専門家にご確認ください。

日本について何かを考えているなら、まずお話しください。

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