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税務と承継

日本の相続と台湾居住者

日本の相続税は財産を取得した方に課される仕組みで、日本に所在する財産は課税の範囲に含まれるのが通例です。日台の双方に資産がある場合、早めに整えておきたいのは書類と期限と現金です。

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取得した方に課される仕組み

日本の相続税は、遺産の全体に課税してから分けるのではなく、財産を取得された方それぞれに課される仕組みです。この点は、諸外国の制度と考え方が異なる部分です。課税の範囲は、亡くなられた方と取得される方それぞれの住所、国籍、過去の日本での居住の状況などによって定まりますが、一般には、日本国内に所在する財産は、取得される方が海外にお住まいであっても課税の対象に含まれるのが通例です。適用される規則は細かく、これまでにも改正が重ねられてきましたので、一律の基準で判断することはできません。先に確かめられるのは、ご家族が日本にどのような財産を、どなたの名義で持っておられるかという事実です。

国をまたぐときの実務

  • 相続人の範囲を確認するため、台湾側の戸籍関係書類と、その認証および翻訳が必要になります
  • 日本の金融機関や登記の手続では、相続人全員の意思確認を求められるのが通例です
  • 遺産分割協議には相続人全員の合意を要し、海外にお住まいの場合は往復の時間を見込む必要があります
  • 不動産の名義変更には登記の手続を要し、実務上は司法書士に依頼することが一般的です
  • 日本の申告には一定の時点から起算する法定の期限があり、遅れると付随的な負担が生じる場合があります
  • 日台それぞれの取扱いは各国の国内法に従い、二重課税の調整の可否は個別の確認を要します

現金と時間のずれ

相続の局面で最も多いつまずきは、税額そのものよりも、時間と現金のずれにあります。不動産は短い期間で現金に換えにくい一方、申告と納付には期限があります。台湾側の手続が並行する場合には、書類の往復にさらに数週を要することもあります。そのため、納税資金の出どころを生前に確かめておくほうが、あとから買い手を探すより落ち着いて進められます。考え方としては、日本国内に一定の預金を残しておく、保険の役割を見直す、処分の順序をあらかじめ整理しておくといった方向があります。それぞれに費用と制約がありますので、ご家族の資産の構成やお住まいの状況に応じて個別にご判断ください。

遺言と、ご家族の合意

日本に資産をお持ちであれば、日本の財産を対象とする遺言を準備しておくことで、のちの手続の負担が軽くなる場合があります。同時に、台湾側で既に整えておられる内容と突き合わせ、二つの書面が効力や内容の面で衝突しないようにしておく必要があります。方式の要件、執行者を指定できるか、遺留分などの制度との関係については、弁護士に個別にご確認ください。書面以上に効いてくるのは、ご家族の中での合意であることも少なくありません。誰が持ち続け、誰が現金化を望み、誰が日本の専門家との窓口になるのか。私どもの役割は、資産の一覧と日程を整理し、各分野の有資格専門家をご紹介して、その業務範囲の中で進めていただくことにあります。

本稿は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務・投資・入管に関する助言ではありません。相続の取扱いはご事情や法令の改正によって大きく異なりますので、実際のご判断にあたっては日本と台湾双方の有資格専門家にご確認ください。

日本について何かを考えているなら、まずお話しください。

まだ形になっていない想いでも、すでに具体的な計画でも、プライベート相談が最適な出発点です。